ここでは、航空機等(製品)の運用者が収集する実績情報と、設計・製造時のデータをシームレスに連動させることにより、従来はフェーズ毎に完結して行われてきた標準化や効率化を、ライフサイクル全体のものとする取り組みについて紹介します。主に各種の国際標準化の動向を示します。
ライフサイクルサポート分析(LSA)およびメンテナンスデータの位置付けイメージを以下に示します。
このLSAデータの検討&標準化は、以下の図のように、1970年代の米軍規格に始まりましたが、その後の航空機等国際共同開発の動静により、欧州に移ります。
MIL-STD-1388は1996年にはMIL-STDとしてはキャンセル(廃止)され、その後欧米においてLSA(Logistic Support Analysis)分野で標準化検討が拡大・継続し、UK MoDのDEF STAN 00-600や、SAE internationalのGEIA-STD-0007、ASD/AIAのSシリーズ(S3000Lなど)として継続検討されてきました。また、製造関連のデータ標準化でSTEPとして知られるISO10303との整合も取るべく、AP239として標準化が進んでいます。
現在では、後方支援データ標準化活動は、拠点をイギリスに移し、ASD(AeroSpace and Defence Industries Association of Europe)が中心となって標準化活動を推進しています。以下、主要なSシリーズ標準化分野と、相互の関係を図示します。
- S1000D ー 共通ソースデータベースを活用した技術出版物のための国際規格
- S2000M ー 資材管理のための国際規格
- S3000L ー 後方支援(ロジスティクスサポート)分析(LSA)のための国際規格
- S4000P ー 予防保全の策定・継続的改善のための国際規格
- S5000F ー 運用・整備データフィードバックのための国際規格
- SX000i ー 統合製品支援(IPS)のための国際規格
以下、本サイトでは、以下の各レポートを掲載しています。