現状の修理・補給態勢(後方支援態勢)のモデリングでは、ロジスティックスデータベースに、これらのサポート構造の組織毎に、対象部品のコストやリードタイムなどの値をセットしてゆきます。このマスモデルに、現状起こっているイベントを発生させ、運用状況などが推定される動きに近いものになるまで、データの見直し作業を行います。現実の動きを反映していると確認できたものをベースラインとします。これが「デジタルツイン」となります。
 このマスモデルは専用のツール(TFD社のTEMPOまたはMAAP)で構築しますが、そのアウトプットはEXCELなどに吐き出し、お手持ちのツールでビジュアライズし、分析結果を表現することが出来ます。

 モデリングに必要なデータは、航空機整備業務で一般的に用いられるものを使用します。システム(航空機等)の状態を表す部品表(IPBなど)を基に、主要部品のカタログ価格やMTBFなどの技術データ、後方支援部隊のリソース(部品在庫、整備員、器材、ショップなど)の数、能力などからベースとなるマスモデルを作ります。
 その後、システム(航空機等)の使用時間と、発生した整備・修理に使用した部品や所要時間などの実績値をあてはめて、マスモデルの精度を検証します。その上で、期待するKPI(獲得できる飛行時間など)を実現できる後方支援リソース(部品所要や支援態勢など)を提示します。そのアウトプットが、例えば、購入すべき部品のリストといった形で提示されます。
 マスモデルによる出力と、現状を比較検討することにより、分析を行います。

 マスモデルの構成要素は、以下のようなものとなっています。