ビジネスがPlan、Do、Check、Actのサイクルを採用してカイゼン活動を可能にするのと同様に、データもPDCAサイクルで管理する必要があります。
最初は後方支援計画データのサブセットを用いて、後方支援態勢決定のために情報を提供します。そして、後方支援計画につながります。後方支援を実施・実行するにはより詳細な情報が必要です。
 実世界の運用実績データは、計画で基にした想定データとは間違いなく違ったものでしょう。同等のデータをERPまたは実績収集システムから取得して比較検討しなければなりません。性能とコストからの予測は、改善を実施するべきか、または現実を容認するか、に影響を与えます。
 設計または使用計画の変更に伴い、すべての変更されたデータは、最適化とサポート計画をアップデートするため意思決定プロセスにフィードバックされなければなりません。
 最適化を確実に継続するにはプロセスを反復してまわします。

 下のスライドは同じプロセスを別の見方で示しています。
 BOM、作業&アセット管理システム、在庫追跡システムなどのオリジナルソースからのデータと、必要な使用方法ももちろん集められ、TFDのSupportability Workbenchなどのツールによって後方支援のデジタルツインモデルが構築できます。そうしたツールからのアウトプットはBIダッシュボードで表示することができます。
 これらは、ビジュアライゼーション、分析、シミュレーション、および評価のプロセスに情報を提供する想定(What-If)シナリオの反復プロセスをサポートします。その結果、実施すべきサポート活動計画が作成されます。
 実世界データはERPシステムに取り込まれ、継続的なカイゼン活動への情報提供と促進のために使用されます。

 最後に、ライフサイクルを通じたデータ戦略と共通データ標準は、複数企業が携わる多国間の複雑なコラボレーションプロジェクトには必要不可欠であることを強調しておきます。

  • PAS 280は、ライフサイクルを通したエンジニアリング・サービスによってビジネス価値を最大化する管理フレームワークを説明しています。
  • ASD S-Series規格は、特にプロダクトサポートデータ向けに作成されています。

 これらは共に、これからの国際共同開発プログラムのためのライフサイクルを通じたデータ戦略の指針となります。どちらも開発プログラム開始時が採用決心の重要なタイミングです。