成熟度モデルとして利用されているものに、CMMIがあります。

 CMMI(Capability Maturity Model Integration:能力成熟度モデル統合)は、組織が「プロセス」をより適切に管理できるようになることを目的として遵守するべき指針を体系化したものです。

 CMMIの前身であるCMM(Capability Maturity Model:能力成熟度モデル)は、品質、生産性の向上、工期短縮などのニーズを満たすためにソフトウェアプロジェクトの活動をより高度なレベルに高めるため、DoDの資金援助得てカーネギーメロン大学 ソフトウェア工学研究所(SEI)が開発したものです。

 DoDは成熟度フレームワークによるソフトウェア・プロセス・アセスメントの枠組みを調達の枠組みに導入しています。ソフトウェア開発およびそのマネジメントプロセスが一定の成熟度レベルに達していることを調達条件としています。契約事業者は、プロセス改善に取り組む必要があります。当初ソフトウェアの開発を対象に開発されたソフトウェアCMMでしたが、その後、システムエンジニアリグCMM、システム調達CMM等、いろいろなモデルが開発されました。これらのモデルはそれぞれ異なるところが多く、使いづらいことからこれらを統合したモデルの開発が求められ、CMM統合モデルCMMIが開発されました。

 CMMI Servicesの開発にあたっては、ボーイング、ロッキード・マーティン、レイセオン等の企業・団体も参加しています。2012年に、カーネギーメロン大学は、新たにCMMI研究所(CMMI Institute)を設立し、CMMIに関係する成果物と活動をSEIから移行しました。現在、CMMI研究所からCMMI V2.0が公開されています。(https://cmmiinstitute.com/cmmi

 様々な事業環境へ適用可能な複数のカスタマイズされたビューを持つ単一モデルとなっていて、組織固有の業績改善ニーズを満たすモデルのビューを作成することができます。

 V2.0モデルには、以下のビューが含まれています。

  • CMMI Development(開発)
  • CMMI Services(サービス)
  • CMMI Supplier Management(供給者管)

[CMMIの成熟度レベル]

成熟度レベル特徴
ML1初期状態混沌とした、いきあたりばったりで、一部の英雄的なメンバー依存の状態。 成熟したプロセスを導入する際の、出発点のレベル。
ML2管理された状態反復できる状態、プロジェクト管理・プロセスの規則の存在。 反復してプロセスを実行できるレベル。
ML3定義された状態制度化された状態。 プロセスが標準ビジネスプロセスとして明示的に定義され関係者の承認を受けているレベル。
ML4定量的に管理された状態制御できる状態。 プロセス管理が実施され、さまざまなタスク領域を定量的に制御しているレベル。
ML5最適化している状態プロセスを定量的に改善する状態。 継続的に自らのプロセスを最適化し改善しているレベル。

 CMMI V2.0には、V1.3まではプロセス領域(プロセス領域の中に「ゴール」に対応した「プラクティス」が含まれていた)と呼ばれていたものが、V2.0ではプラクティス領域に変更となっています。

CMMI V2.0のアーキテクチャとプラクティス領域の編成(CMMI研究所「CMMI V2.0 モデル早わかり」より)