(1)CMMCモデル(APPENDIX A.)

 CMMC文書の「CMMC Model v1.02 (Appendix A) in tabular format」に掲載されている、CMMCモデルの見方について説明します。

 各「領域」について、最初の列で、求められる一連の「能力」を定義しています。各「能力」には、一意の番号 C### が割り当てられています。次の5つの列で、CMMCの5つのレベルに関連する「プラクティス」を定義しています。各「プラクティス」には、一意の番号 P1### が割り当てられています。全ての「能力」について、全てのレベルで「プラクティス」があるわけではありません。下位のレベルの「プラクティス」は、全ての上位レベルに適用されています。

 前記の例では、この「能力」に対してレベル3で必要な「プラクティス」はありません。 その結果、レベル3のセルは空白となっていますが、レベル3を達成するためには、レベル1とレベル2の「プラクティス」を達成する必要があります。

 各「プラクティス」記述の下に、「プラクティス」の開発に使用した参考情報の箇条リストが記載されています。これらの参考情報箇条リストは、CMMCモデルの追加要件ではありません。一部の「プラクティス」には、複数の参考情報があります。

 参考情報が“CMMC”と記載された「プラクティス」は、CMMC作業チームや業界とのコラボレーションによって策定されたものです。パブリックコメントにより、実装の課題とコストに関するフィードバックを受け、一部のセキュリティ要件について、除外されたものもあります。

 以下に、主要な参考情報から派生した「プラクティス」数を示します。

 CMMCモデルのCMMCの参考情報としては、上記以外にも次のような参考情報があります。

  • 英国 Cyber Essentials (英国政府の政府調達要件となっているセキュリティ認証の枠組み)
  • ISO/IEC 27001 (ISMS:情報セキュリティマネジメントシステムのISO要求事項)
  • NIST CSF v1.1 (NIST Framework for Improving Critical Infrastructure Cybersecurity Version 1.1 : サイバーセキュリティリスクに関するフレームワーク)
  • CERT RMM v1.2 (CERT Resilience Management Model:運用回復力管理に対するプロセス改善フレームワーク / DoDの資金援助を受けカーネギーメロン大学 ソフトウェア工学研究所(SEI)が作成)

(セキュリティ技術対策フレームワーク / 非営利団体The Center for Internet Security, Inc.が作成)

(2)CMMCレベル1〜レベル3、CMMC「プロセス」成熟度の説明と解説(APPENDIX B.~E.)

 「APPENDIX B. CMMC LEVEL 1 DISCUSSION AND CLARIFICATION」「APPENDIX C. CMMC LEVEL 2 DISCUSSION AND CLARIFICATION」「APPENDIX D. CMMC LEVEL 3 DISCUSSION AND CLARIFICATION (EXCLUDING NIST SP 800-171 PRACTICES)」に、CMMCレベル1〜3の「プラクティス」について説明(DISCUSSION)と解説(CLARIFICATION)が掲載されています。

 CMMCレベル1〜2の「プラクティス」について、NIST SP 800-171が参考情報となっている「プラクティス」の説明では、DRAFT NIST SP 800-171R2の説明が引用されています。

 CMMCレベル3については、NIST SP 800-171以外の標準が参考情報となっているものについて、説明と解説が掲載されています。参考情報がない“CMMC”の「プラクティス」についても、説明と解説が掲載されており、具体的対応すべき事項が明確になっています。

 また、「APPENDIX E. CMMC MATURITY PROCESS DISCUSSION AND CLARIFICATION」に、CMMC「プロセス」成熟度の説明と解説が掲載されています。